対数
対数(logarithm)は、指数関数の逆関数として定義され、乗法を加法へ変換する性質を持つ。
定義
a>0, a≠1 のとき、a^x=b を満たす x を log_a b と書く。つまり、対数は「何乗すればその数になるか」を表す。
基本法則
積の対数は和、商の対数は差、べきの対数は係数として外へ出せる。この性質は大きな数の計算や尺度の表現に有用である。
自然対数
底がネイピア数 e の対数を自然対数といい、ln x と表す。微分積分や指数的成長・減衰の記述で特に重要である。
対数法則の理由
x=aᵘ、y=aᵛと書くとxy=aᵘ⁺ᵛだから、logₐ(xy)=u+vとなる。同じ考えで商は差、べき乗は係数へ変わる。実数の対数では真数x,yが正であることが必要になる。底aも正で1以外でなければならず、0<a<1なら対数関数は減少する。
例:増加率から時間を求める
量が1期間ごとに1.05倍になるとする。最初の2倍に達する期間tは1.05ᵗ=2を満たすので、t=ln2/ln1.05≈14.21となる。連続した時間での補間ならこの値でよいが、期間末だけを評価するなら15期間が必要である。対数は、倍率から「何回繰り返したか」を取り出している。
指数的変化を読み違えない
対数軸では1,10,100,1000が等間隔に並ぶため、同じ幅が同じ差ではなく同じ比を表す。指数関数y=Ceᵏˣはln y=ln C+kxという直線になる。ただしlog(x+y)=log x+log yではない。例えばlog₁₀(10+10)=log₁₀20であり2ではない。単位を持つ量の対数は、基準量との比など無次元量に対して取るのが基本である。
確認問題
log₂32とlog₁₀0.001を求めよ。
解答と考え方を見る
2⁵=32なので5、10⁻³=0.001なので−3。対数が負でも、真数は正であり、負の数の対数を取っているわけではない。
参考資料・次に読む資料
- MIT OpenCourseWare: Single Variable Calculus極限・微分・積分・級数を体系的に学ぶ講義資料。
資料確認日:2026-10-12。