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確率・期待値の問題集

Kanapedia 数学 · 2026-11-03

数え上げ、非復元抽出、余事象、条件付き確率、二項分布、ベイズの定理を練習します。何を同じ確率で起こる結果として数えているかを明確にし、独立と条件付き確率を区別します。

公平なさいころとは、11から66までの各目が確率16\frac16で出るものです。複数回の独立な試行では、過去の結果は次の確率を変えません。

袋や箱からの抽出では、各玉を同じ確率で選ぶものとします。玉を戻すか戻さないかによって確率が変わるので、問題文の条件を先に整理します。

問題に取り組む

基礎

問題1 二つのさいころの和

区別できる二つの公平なさいころを独立に1回ずつ投げます。出た目の和が88となる確率を求めてください。

ヒントを見る

順序付きの組(a,b)(a,b)は全部で3636通りあります。

解答と途中式を見る

解き方

  1. 二つのさいころの目の組は6⋅6=366\cdot6=36通りで、それぞれの確率は136\frac1{36}です。
  2. 和が88となるのは(2,6),(3,5),(4,4),(5,3),(6,2)(2,6),(3,5),(4,4),(5,3),(6,2)の5通りです。したがって確率は536\frac5{36}です。

答え

536\frac5{36}

検算・確かめ方

(2,6)(2,6)と(6,2)(6,2)は別の結果です。「和の値」が同じ確率で出るわけではなく、順序付きの目の組を数えています。

基礎

問題2 戻さずに二つ取り出す

赤玉5個と青玉3個が入った袋から、玉を戻さずに2個取り出します。2個とも赤玉である確率を求めてください。各玉は同じ確率で選ばれます。

ヒントを見る

最初が赤であったとき、残る赤玉と全体の個数を更新します。

解答と途中式を見る

解き方

  1. 1個目が赤である確率は58\frac58です。その条件の下で、残り7個中の赤玉は4個なので、2個目も赤である確率は47\frac47です。
  2. 乗法公式から、求める確率は58⋅47=514\frac58\cdot\frac47=\frac5{14}です。

答え

514\frac5{14}

検算・確かめ方

順序を考えずに数えると(52)(82)=1028=514\frac{\binom52}{\binom82}=\frac{10}{28}=\frac5{14}です。戻さないため、2回の色は独立ではありません。

標準

問題3 少なくとも一回を余事象で求める

公平なさいころを独立に4回投げます。少なくとも1回は66が出る確率を求めてください。

ヒントを見る

「少なくとも1回」の余事象は「一度も出ない」です。

解答と途中式を見る

解き方

  1. 1回で66が出ない確率は56\frac56です。4回が独立なので、一度も66が出ない確率は(56)4\left(\frac56\right)^4です。
  2. 求める確率は1−(56)4=1−6251296=67112961-\left(\frac56\right)^4=1-\frac{625}{1296}=\frac{671}{1296}です。

答え

1−(56)4=67112961-\left(\frac56\right)^4=\frac{671}{1296}

検算・確かめ方

4⋅164\cdot\frac16では、2回以上66が出る結果を重複して数えます。余事象では重複を避けられます。

標準

問題4 条件を付けた二個抽出

赤玉3個と青玉2個から、各玉を等確率で、戻さずに2個選びます。少なくとも1個が赤であると分かったとき、2個とも赤である条件付き確率を求めてください。

ヒントを見る

「2個とも赤」は「少なくとも1個が赤」に含まれます。条件付き確率の分母を変更します。

解答と途中式を見る

解き方

  1. 全ての2個の組は(52)=10\binom52=10通りで等確率です。2個とも赤は(32)=3\binom32=3通りです。
  2. 少なくとも1個が赤である組は、全体から青2個の1通りを除いた99通りです。
  3. したがって条件付き確率は39=13\frac39=\frac13です。確率の定義で書けば(3/10)/(9/10)(3/10)/(9/10)です。

答え

13\frac13

検算・確かめ方

条件を付けない「2個とも赤」の確率310\frac3{10}とは異なります。分母の事象の確率は910>0\frac9{10}>0なので、条件付き確率が定義できます。

標準

問題5 二項分布の期待値と分散

1回の表の確率が13\frac13のコインを、独立に3回投げます。表の回数をXXとして、XXの期待値と分散を求めてください。

ヒントを見る

各試行で表なら1、裏なら0となる指示変数の和として考えます。

解答と途中式を見る

解き方

  1. IiI_iをii回目が表なら11、裏なら00とすると、X=I1+I2+I3X=I_1+I_2+I_3です。各E[Ii]=13E[I_i]=\frac13なので、期待値の線形性からE[X]=1E[X]=1です。
  2. Ii2=IiI_i^2=I_iなので、Var⁡(Ii)=13−(13)2=29\operatorname{Var}(I_i)=\frac13-\left(\frac13\right)^2=\frac29です。
  3. 試行が独立なので分散を足すことができ、Var⁡(X)=3⋅29=23\operatorname{Var}(X)=3\cdot\frac29=\frac23です。

答え

E[X]=1,Var⁡(X)=23E[X]=1,\qquad\operatorname{Var}(X)=\frac23

検算・確かめ方

P(X=0),P(X=1),P(X=2),P(X=3)P(X=0),P(X=1),P(X=2),P(X=3)は順に827,1227,627,127\frac8{27},\frac{12}{27},\frac6{27},\frac1{27}です。この分布からもE[X]=1E[X]=1、E[X2]=53E[X^2]=\frac53を得ます。

発展

問題6 箱を逆に推定するベイズの定理

箱Iには赤玉3個・青玉1個、箱IIには赤玉1個・青玉3個が入っています。最初に箱Iを確率13\frac13、箱IIを確率23\frac23で選び、選んだ箱から各玉を等確率で1個取り出します。赤玉が出たとき、箱Iを選んでいた確率を求めてください。

ヒントを見る

「箱Iを選んで赤が出る確率」を、赤が出る全確率で割ります。

解答と途中式を見る

解き方

  1. 箱Iを選んで赤が出る確率は13⋅34=14\frac13\cdot\frac34=\frac14です。箱IIを選んで赤が出る確率は23⋅14=16\frac23\cdot\frac14=\frac16です。
  2. 二つの場合は互いに排反で全てを覆うので、赤が出る確率は14+16=512\frac14+\frac16=\frac5{12}です。
  3. ベイズの定理から、求める確率は1/45/12=35\frac{1/4}{5/12}=\frac35です。

答え

P(箱I∣赤)=35P(\text{箱I}\mid\text{赤})=\frac35

検算・確かめ方

同様にP(箱II∣赤)=25P(\text{箱II}\mid\text{赤})=\frac25で、和は11です。箱を選ぶ確率が等しくないため、二つの箱の玉を単純に一つの袋へ混ぜて数える方法は使えません。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-11-03。