極限
極限(limit)は、変数や数列がある値へ限りなく近づくときの振る舞いを表す解析学の基本概念である。
関数の極限
x が a に近づくとき f(x) が L に近づくなら、lim_{x→a} f(x)=L と書く。x=a での値そのものと極限値は区別される。
limₓ→ₐ f(x) = L
数列の極限
数列 a_n が n→∞ で L に近づくとき、その数列は L に収束するという。収束しない場合は発散すると呼ぶ。
微積分の基礎
微分の定義には差分商の極限が、積分には分割を細かくした極限が現れる。
εとδで「近づく」を表す
limₓ→ₐf(x)=Lとは、どんなε>0に対しても適切なδ>0があり、0<|x−a|<δなら|f(x)−L|<εとなることである。εは出力に許す誤差、δは入力をどこまで近づけるかを表す。x=aを除くため、その点で関数が定義されていなくても極限を考えられる。
例:一次関数の極限を証明する
f(x)=3x+1についてx→2の極限が7であることを示す。|f(x)−7|=3|x−2|なので、εを指定されたらδ=ε/3を選べばよい。すると0<|x−2|<δから|f(x)−7|<εが従う。具体的なδの選び方が、直感を証明に変える。
不定形と左右の極限
(x²−1)/(x−1)はx=1では未定義だが、x≠1ではx+1と等しいので極限は2になる。0/0を答えとせず、近傍での振る舞いを調べる。一方、1/xは右から0へ近づくと+∞、左からは−∞となり、有限の両側極限を持たない。極限の和・積・商の法則にも、各極限の存在や分母が0でないことなどの条件がある。
確認問題
aₙ=(2n+1)/nの極限を、誤差を使って説明せよ。
解答と考え方を見る
aₙ=2+1/nなので極限は2。ε>0に対しN>1/εを選ぶと、n≥Nで|aₙ−2|=1/n<εとなる。
参考資料・次に読む資料
- MIT OpenCourseWare: Single Variable Calculus極限・微分・積分・級数を体系的に学ぶ講義資料。
資料確認日:2026-10-12。