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式・方程式・不等式の公式集

Kanapedia 数学 · 2026-11-03

展開、因数分解、二次方程式、不等式をまとめます。等式変形で割る量が0でないか、不等式の等号がいつ成り立つかも確かめます。

平方の展開

(a±b)2=a2±2ab+b2(a\pm b)^2=a^2\pm2ab+b^2

条件:実数・複素数で成立。符号は同じ側でそろえる。

中央の項を落とさない。二つの同じ式を掛けた結果。

例:(x−3)2=x2−6x+9(x-3)^2=x^2-6x+9。

平方の差

a2−b2=(a−b)(a+b)a^2-b^2=(a-b)(a+b)

条件:実数・複素数で成立。

差は積にできる。平方の和を同じ形にはできない。

例:49x2−16=(7x−4)(7x+4)49x^2-16=(7x-4)(7x+4)。

立方の和と差

a3±b3=(a±b)(a2∓ab+b2)a^3\pm b^3=(a\pm b)(a^2\mp ab+b^2)

条件:複号同順。後ろの中央の符号は反対。

掛け戻すと二次・一次の交差項が消える。

例:x3+8=(x+2)(x2−2x+4)x^3+8=(x+2)(x^2-2x+4)。

平方完成

一辺xの正方形に、縦と横に幅3の長方形を付ける。残る角は3掛ける3の面積9で、補うと一辺xプラス3の正方形になる。
平方完成は、足りない正方形を補う二つの3xを図形として並べると、平方完成で係数6の半分を使う理由が見えます。面積の説明にはxが非負という条件がありますが、展開して得る等式x²+6x=(x+3)²−9はすべての実数xで成り立ちます。図を拡大参考:OpenStax:Quadratic Functions
ax2+bx+c=a(x+b2a)2+4ac−b24aax^2+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2+\frac{4ac-b^2}{4a}

条件:a≠0a\ne0。グラフや大小を考えるときは実数。

頂点、最大・最小、解の公式の導出に使う。

例:2x2−8x+5=2(x−2)2−32x^2-8x+5=2(x-2)^2-3。

二次方程式の解の公式

x=−b±b2−4ac2ax=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

条件:係数 a,b,ca,b,c は実数。ax2+bx+c=0, a≠0ax^2+bx+c=0,\ a\ne0。実数解は D=b2−4ac≥0D=b^2-4ac\ge0 のとき。

D>0D>0 は異なる実数解2個、D=0D=0 は重解、D<0D<0 は実数解なし。

例:x2−3x+1=0x^2-3x+1=0 の解は (3±5)/2(3\pm\sqrt5)/2。

解と係数の関係

α+β=−ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\frac ba,\qquad\alpha\beta=\frac ca

条件:α,β\alpha,\beta は ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の2解。重解は2回数え、a≠0a\ne0。

根を直接求めず対称式を計算できる。

例:x2−5x+3=0x^2-5x+3=0 の2解では α2+β2=52−2⋅3=19\alpha^2+\beta^2=5^2-2\cdot3=19。

二項定理

(a+b)n=∑k=0n(nk)an−kbk(a+b)^n=\sum_{k=0}^{n}\binom nk a^{n-k}b^k

条件:nn は0以上の整数。(nk)=n!/[k!(n−k)!]\binom nk=n!/[k!(n-k)!]。

各項は、nn 個の因子から bb を選ぶ場所の数で数える。

例:(x+2)4(x+2)^4 の x2x^2 の係数は (42)22=24\binom42 2^2=24。

相加相乗平均(2数)

一辺aプラスbの正方形の周りに面積abの長方形4個を配置する。中央に一辺aマイナスbの正方形が残り、その面積が非負なので相加相乗の不等式が得られる。
相加相乗の不等式を面積で見る非負のaとbについて、(a+b)²−4ab=(a−b)²≥0です。a+bも非負なので平方根を取り、相加平均が相乗平均以上であると分かります。等号はa=bのときで、図では中央の余りがなくなる場合に対応します。図を拡大参考:MIT OCW:Mathematics for Computer Science
a+b2≥ab\frac{a+b}{2}\ge\sqrt{ab}

条件:a,b≥0a,b\ge0。等号は a=ba=b のときだけ。

正の数の和の下限や、和が一定のときの積の上限に使う。

例:x>0x>0 なら x+9/x≥6x+9/x\ge6。等号は x=3x=3。

コーシー・シュワルツ

(∑i=1naibi)2≤(∑i=1nai2)(∑i=1nbi2)\left(\sum_{i=1}^{n}a_ib_i\right)^2\le\left(\sum_{i=1}^{n}a_i^2\right)\left(\sum_{i=1}^{n}b_i^2\right)

条件:ai,bia_i,b_i は実数、n≥1n\ge1。等号は2つのベクトルが線形従属のとき(零ベクトルを含む)。

和の積を平方和で評価する。平方後の符号情報に注意。

例:(x+y)2≤2(x2+y2)(x+y)^2\le2(x^2+y^2)。等号は x=yx=y。

絶対値の三角不等式

∣a+b∣≤∣a∣+∣b∣|a+b|\le|a|+|b|

条件:実数 a,ba,b。等号は ab≥0ab\ge0 のとき。複素数にも不等式は成立。

和の絶対値は、各絶対値の和を超えない。

例:∣−2+5∣=3≤7=∣−2∣+∣5∣|-2+5|=3\le7=|-2|+|5|。

確認問題

x>0x>0 のとき x+4/xx+4/x の最小値と、そのときの xx を求めてください。

解答と考え方を見る

xx と 4/x4/x に相加相乗平均を使うと x+4/x≥24=4x+4/x\ge 2\sqrt{4}=4。等号条件 x=4/xx=4/x と x>0x>0 より x=2x=2。最小値は4です。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-11-03。