知識をつなぐオンライン百科事典
Kanapedia > 数学 > 確率・統計の公式集

確率・統計の公式集

Kanapedia 数学 · 2026-11-03

数え上げ、条件付き確率、期待値、分散と標準化をまとめます。同様に確からしい場合、独立な場合、標本から推定する場合を区別して使います。

順列と組合せ

nPr=n!(n−r)!,(nr)=n!r!(n−r)!{}_nP_r=\frac{n!}{(n-r)!},\qquad\binom nr=\frac{n!}{r!(n-r)!}

条件:n,rn,r は整数、0≤r≤n0\le r\le n。異なるn個から重複なく選ぶ。0!=10!=1。

順序を区別するなら順列、しないなら組合せ。

例:異なる5人から2人の組は (52)=10\binom52=10。

確率の加法定理

P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)

条件:同じ確率空間の事象。排反なら共通部分の確率は0。

重なりを2回数えた分だけ引く。

例:P(A)=0.4,P(B)=0.5,P(A∩B)=0.2P(A)=0.4,P(B)=0.5,P(A\cap B)=0.2 なら和事象は0.7。

条件付き確率と乗法定理

P(A∣B)=P(A∩B)P(B),P(A∩B)=P(B)P(A∣B)P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)},\qquad P(A\cap B)=P(B)P(A\mid B)

条件:P(B)>0P(B)>0。

Bが起きた範囲を新しい全体として考える。

例:公平なサイコロで「偶数」の条件下で「4以上」の確率は 2/32/3。

独立な事象の積

P(A∩B)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B)

条件:AとBが独立である場合。逆にこの等式を独立の定義にできる。

排反とは異なる。互いに影響しないことを条件や抽出方法で確認する。

例:独立な公平なコイン2回が共に表である確率は 1/41/4。

全確率とベイズの定理

P(B)=∑iP(B∣Ai)P(Ai),P(Aj∣B)=P(B∣Aj)P(Aj)∑iP(B∣Ai)P(Ai)P(B)=\sum_i P(B\mid A_i)P(A_i),\qquad P(A_j\mid B)=\frac{P(B\mid A_j)P(A_j)}{\sum_iP(B\mid A_i)P(A_i)}

条件:AiA_i は有限個の排反で全体を覆う事象、P(Ai)>0P(A_i)>0、ベイズでは P(B)>0P(B)>0。

事前の割合と条件付き確率から、観測後の割合を計算する。

例:P(A)=1/3,P(B∣A)=3/4,P(B∣Ac)=1/4P(A)=1/3,P(B\mid A)=3/4,P(B\mid A^c)=1/4 なら P(A∣B)=3/5P(A\mid B)=3/5。

二項分布

P(X=k)=(nk)pk(1−p)n−k,E[X]=np,Var⁡(X)=np(1−p)P(X=k)=\binom nk p^k(1-p)^{n-k},\quad E[X]=np,\quad\operatorname{Var}(X)=np(1-p)

条件:独立なn回の試行、毎回同じ成功確率 0<p<10<p<1。k=0,…,nk=0,\ldots,n。p=0,1p=0,1 は定数分布。

非復元抽出など成功確率が変わる場合はそのまま使えない。

例:公平なコイン4回で表が2回の確率は 6/16=3/86/16=3/8。

期待値と線形性

E[X]=∑xxP(X=x),E[aX+bY+c]=aE[X]+bE[Y]+cE[X]=\sum_x xP(X=x),\qquad E[aX+bY+c]=aE[X]+bE[Y]+c

条件:和の式は離散型。絶対可積分とする。線形性に独立性は不要。

平均は実際に取り得る値と一致するとは限らない。

例:公平なサイコロの期待値は 7/27/2。

分散と線形結合

Var⁡(X)=E[X2]−E[X]2,Var⁡(aX+bY)=a2Var⁡(X)+b2Var⁡(Y)+2abCov⁡(X,Y)\operatorname{Var}(X)=E[X^2]-E[X]^2,\quad\operatorname{Var}(aX+bY)=a^2\operatorname{Var}(X)+b^2\operatorname{Var}(Y)+2ab\operatorname{Cov}(X,Y)

条件:2次モーメントが有限。独立なら共分散0。

共分散0から一般に独立とはいえない。定数を足しても分散は不変。

例:公平なコインの表を1、裏を0とすれば分散は 1/41/4。

データの平均・分散と不偏分散

xˉ=1n∑i=1nxi,v=1n∑i=1n(xi−xˉ)2,s2=1n−1∑i=1n(xi−xˉ)2\bar x=\frac1n\sum_{i=1}^n x_i,\quad v=\frac1n\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2,\quad s^2=\frac1{n-1}\sum_{i=1}^n(x_i-\bar x)^2

条件:平均とデータ分散は n≥1n\ge1、不偏分散は n≥2n\ge2。同一分布で独立な標本・有限分散のもとで、s2s^2 は母分散の不偏推定量となる。

記述する分散と母分散の推定量で分母が違う。標準偏差は対応する分散の非負の平方根。

例:データ1,2,3は xˉ=2,v=2/3,s2=1\bar x=2,v=2/3,s^2=1。

標準化

Z=X−μσ,E[Z]=0,Var⁡(Z)=1Z=\frac{X-\mu}{\sigma},\qquad E[Z]=0,\quad\operatorname{Var}(Z)=1

条件:E[X]=μ,Var⁡(X)=σ2,σ>0E[X]=\mu,\operatorname{Var}(X)=\sigma^2,\sigma>0。

標準化しただけで正規分布になるわけではない。Xが正規分布ならZは標準正規分布。

例:平均60、標準偏差10の得点80の標準化値は2。

確認問題

独立な確率変数X,Yについて Var⁡(X)=4,Var⁡(Y)=9\operatorname{Var}(X)=4,\operatorname{Var}(Y)=9 のとき、Var⁡(2X−Y)\operatorname{Var}(2X-Y) を求めてください。

解答と考え方を見る

独立なので共分散は0。Var⁡(2X−Y)=22⋅4+(−1)2⋅9=25\operatorname{Var}(2X-Y)=2^2\cdot4+(-1)^2\cdot9=25。係数は2乗し、引き算でも分散を引きません。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-11-03。