三平方の定理の相似による証明
直角三角形の辺の長さには、三平方の定理が成り立ちます。斜辺への高さを引くと、もとの三角形と相似な二つの三角形が現れます。その対応を使って、辺の二乗と斜辺の部分の長さを結び付けます。
定理の主張
直角三角形の二つの直角辺の長さを 、斜辺を とすると、 逆に、正の辺長を持つ三角形でこの等式が成り立てば、 に対する角は直角です。
成立する条件
平面上のユークリッド幾何における三角形を扱います。三辺は正で、一直線につぶれた図形は除きます。
直角辺を取り違えず、直角の向かいにある最長の辺を斜辺とします。円や曲面上の測地線から作る三角形へそのまま適用はできません。
証明
- の三角形 を考え、、、 とします。 から斜辺 へ垂線を下ろし、その足を とします。二つの鋭角があるため、 は辺 の内部にあります。
- と は、角 が共通で、それぞれ の角が直角なので相似です。対応する辺の比から 、したがって を得ます。
- 同様に と は、角 が共通で直角を持つため相似です。 となり、 です。
- 二式を加えると、 これで直角三角形に対する等式が証明されました。相似を使う際は、同じ位置の文字ではなく等しい角の対応で辺を選びます。
- 逆を示します。辺長 を直角に配置した三角形を別に作ると、証明済みの定理から斜辺の長さは です。元の三角形と三辺がそれぞれ等しいので三辺相等で合同です。よって元の に対する角も直角です。
使ってみる
直角辺が なら、斜辺は 。一方、三辺が の三角形では なので、逆によって最長辺 の向かいが直角と分かります。
平面上の二点 の距離は、座標軸に平行な直角辺を作れば と導けます。
注意点
任意の三角形で が成り立つわけではありません。角が直角でない場合は、余弦定理の項 が必要です。
確認問題
斜辺が 、一方の直角辺が の直角三角形で、もう一方の辺の長さを求めてください。
解答と考え方を見る
もう一方を とすると、。よって 、長さは正なので です。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax:Precalculus 2e — Law of Cosines三角形の辺・角・座標と余弦定理を学ぶ節。
- OpenStax:Precalculus 2e式・関数・指数・対数・三角関数・数列を学ぶ教科書。
資料確認日:2026-11-03。