知識をつなぐオンライン百科事典
Kanapedia > 数学 > 三平方の定理の相似による証明

三平方の定理の相似による証明

Kanapedia 数学 · 2026-11-03

直角三角形の辺の長さには、三平方の定理が成り立ちます。斜辺への高さを引くと、もとの三角形と相似な二つの三角形が現れます。その対応を使って、辺の二乗と斜辺の部分の長さを結び付けます。

定理の主張

直角三角形の二つの直角辺の長さを a,ba,b、斜辺を cc とすると、a2+b2=c2.a^2+b^2=c^2. 逆に、正の辺長を持つ三角形でこの等式が成り立てば、cc に対する角は直角です。

成立する条件

平面上のユークリッド幾何における三角形を扱います。三辺は正で、一直線につぶれた図形は除きます。

直角辺を取り違えず、直角の向かいにある最長の辺を斜辺とします。円や曲面上の測地線から作る三角形へそのまま適用はできません。

証明

  1. ∠C=90∘\angle C=90^\circ の三角形 ABCABC を考え、BC=aBC=a、CA=bCA=b、AB=cAB=c とします。CC から斜辺 ABAB へ垂線を下ろし、その足を DD とします。二つの鋭角があるため、DD は辺 ABAB の内部にあります。
  2. △ACD\triangle ACD と △ABC\triangle ABC は、角 AA が共通で、それぞれ D,CD,C の角が直角なので相似です。対応する辺の比から AC/AB=AD/ACAC/AB=AD/AC、したがって b2=c ADb^2=c\,AD を得ます。
  3. 同様に △BCD\triangle BCD と △BAC\triangle BAC は、角 BB が共通で直角を持つため相似です。BC/BA=BD/BCBC/BA=BD/BC となり、a2=c BDa^2=c\,BD です。
  4. 二式を加えると、a2+b2=c(AD+BD)=c AB=c2.a^2+b^2=c(AD+BD)=c\,AB=c^2. これで直角三角形に対する等式が証明されました。相似を使う際は、同じ位置の文字ではなく等しい角の対応で辺を選びます。
  5. 逆を示します。辺長 a,ba,b を直角に配置した三角形を別に作ると、証明済みの定理から斜辺の長さは a2+b2=c\sqrt{a^2+b^2}=c です。元の三角形と三辺がそれぞれ等しいので三辺相等で合同です。よって元の cc に対する角も直角です。

使ってみる

直角辺が 5,125,12 なら、斜辺は 25+144=13\sqrt{25+144}=13。一方、三辺が 7,24,257,24,25 の三角形では 72+242=2527^2+24^2=25^2 なので、逆によって最長辺 2525 の向かいが直角と分かります。

平面上の二点 (x1,y1),(x2,y2)(x_1,y_1),(x_2,y_2) の距離は、座標軸に平行な直角辺を作れば (x2−x1)2+(y2−y1)2\sqrt{(x_2-x_1)^2+(y_2-y_1)^2} と導けます。

注意点

任意の三角形で a2+b2=c2a^2+b^2=c^2 が成り立つわけではありません。角が直角でない場合は、余弦定理の項 −2abcos⁡C-2ab\cos C が必要です。

確認問題

斜辺が 1717、一方の直角辺が 88 の直角三角形で、もう一方の辺の長さを求めてください。

解答と考え方を見る

もう一方を x>0x>0 とすると、x2+82=172x^2+8^2=17^2。よって x2=289−64=225x^2=289-64=225、長さは正なので x=15x=15 です。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-11-03。