代数学
代数学(algebra)は、数や文字の演算を一般化し、方程式や数学的構造を研究する分野である。
代数学の考え方
初等代数では、未知数を文字で表し、式の変形や方程式の解法を扱う。文字を用いることで、個々の数値計算を超えて一般的な関係を表現できる。
抽象代数学
現代の代数学では、群・環・体など、演算の規則を抽象化した構造を研究する。対称性、整数論、幾何学、暗号理論などとも深く結び付く。
線形代数学との関係
線形代数学は、ベクトル空間と線形写像を扱う代数学の重要分野であり、物理学や統計学、機械学習にも広く使われる。
群・環・体は何が違うか
群は一つの演算について、結合法則、単位元、逆元を備えた集合である。整数全体は加法について群になるが、自然数だけでは負の数がないため加法の逆元がそろわない。環は加法と乗法を備え、分配法則が成り立つ構造で、整数全体が代表例となる。体ではさらに、0以外のすべての元で割り算ができる。有理数・実数・複素数は体だが、整数の中では2の逆数がない。
例:余りの世界で方程式を解く
7で割った余りだけを区別する計算では、3×5=15≡1なので3の逆元は5である。したがって3x≡2の両辺に5を掛けると、x≡10≡3となる。通常の分数を導入せず、有限個の値の中だけで割り算ができた。素数pを法とする余りの集合は体になる。
消去法則には条件がある
6を法とする計算では2×3≡0だが、2も3も0ではない。よって2x≡2から無条件に2を消してx≡1とすると、もう一つの解x≡4を落としてしまう。式の見た目だけで変形せず、どの集合でどの演算を行っているかを確認することが、抽象代数の出発点である。こうした有限体は誤り訂正符号にも現れる。
確認問題
整数全体で2x=1に解はあるか。有理数全体ではどうか。
解答と考え方を見る
整数解はない。有理数ではx=1/2が解になる。同じ方程式でも、解を探す数の範囲を変えると答えが変わる。
参考資料・次に読む資料
- MIT OpenCourseWare: Mathematics for Computer Science定義・証明・集合・数え上げ・離散確率を学ぶ講義資料。
資料確認日:2026-10-12。