pH
pHは、水溶液の酸性・塩基性の程度を表す指標である。
定義
希薄水溶液の基本的な扱いでは、水素イオンの活量を用いて pH = −log₁₀ a(H⁺) と定義される。近似的に濃度を使う場合も多い。
pHと酸性
一般的な水溶液ではpHが低いほど酸性が強く、高いほど塩基性が強い。中性のpHは温度に依存し、常に7とは限らない。
緩衝液
少量の酸や塩基を加えてもpHが大きく変化しにくい溶液を緩衝液という。生体内や分析操作で重要である。
活量と濃度の近似
pHの定義は水素イオンの活量a(H⁺)に対する−log₁₀a(H⁺)である。活量は標準状態に対する無次元量で、希薄溶液では濃度を標準濃度で割った値に近似できる。濃い電解質溶液ではイオン間相互作用を無視できず、濃度だけからの計算とずれる。
例:強酸の希釈
25℃付近の十分希薄な強酸で[H⁺]≈1.0×10⁻³ mol/LならpH≈3。水の自己解離を無視できる範囲で10倍に希釈するとpH≈4になる。pHが1変わるとは水素イオン活量が10倍違うことであり、1単位の濃度差ではない。極端に薄い酸では水由来のH⁺を無視できず、この規則を延々と外挿できない。
中性点と測定
中性は[H⁺]と[OH⁻]が等しい状態として理解し、pH≈pKw/2となる。25℃では約7だが、温度が変われば中性点も変わる。pHは必ず0〜14に収まる尺度ではない。電極で測る場合は標準液での校正、温度、汚れ、液絡などにも注意し、表示桁数をそのまま精度と考えない。
確認問題
pH3とpH5では水素イオン活量は何倍違うか。
解答と考え方を見る
pH3の方が10²=100倍大きい。差2をそのまま2倍と解釈してはいけない。
参考資料・次に読む資料
- IUPAC Gold Book: pH水素イオン活量によるpHの定義。
- OpenStax: Chemistry 2e原子・結合・反応量・平衡・速度論・分析などの体系的学習資料。
資料確認日:2026-10-12。