素数が無限に存在することの証明
非常に大きな素数を一つ見つけても、その先に素数があることは保証できません。素数の無限性は、有限個で全部だと仮定したリストから、そのどれでも割り切れない整数を作ることで証明できます。
定理の主張
素数は無限に存在します。すなわち、どんな有限個の素数のリストに対しても、そのリストに含まれない素数が存在します。
成立する条件
素数は より大きく、正の約数が と自分自身だけである整数です。 は素数ではありません。
任意の整数 は少なくとも一つの素因数を持ちます。証明ではこの存在だけを使い、素因数分解の一意性までは使いません。
証明
- まず補題を確認します。 の より大きい正の約数の中で最小のものを とします。もし ()と分解できれば、 も の約数となって最小性に反します。したがって は素数です。
- 素数が有限個しかなく、それをすべて と並べられたと仮定します。 は素数なので、 です。
- このリストを使って と置きます。 なので、補題により少なくとも一つの素因数 を持ちます。
- 各 で を割ると、積の部分は割り切れて余りが になります。したがって、どの も を割り切りません。特に素因数 はリストのどの素数とも異なります。
- これは「リストがすべての素数を含む」という仮定に矛盾します。よって素数は有限個ではなく、無限に存在します。新しい素因数の具体的な大きさを決めなくても、存在は保証できます。
使ってみる
リストが なら、 はどれでも割り切れません。この例では 自体が素数です。
一方、 は合成数です。それでも素因数 は元のリストにないため、証明の考え方は変わりません。
注意点
「素数の積に を足すと必ず素数になる」は誤りです。必要なのは、その整数が元のリストにない素因数を持つことです。この証明だけから双子素数が無限にあるとは結論できません。
確認問題
有限個の素数 のどれでも割り切れない より大きい整数を、同じ方法で作ってください。
解答と考え方を見る
です。どの指定素数で割っても余りは 。 なので、この例の素因数 は指定リストに含まれません。
参考資料・次に読む資料
- MIT OCW:Mathematics for Computer Science論理・証明法・整数・数え上げ・離散確率の講義。
- OpenStax:Precalculus 2e式・関数・指数・対数・三角関数・数列を学ぶ教科書。
資料確認日:2026-11-03。