正弦定理・余弦定理の座標による証明
Kanapedia 数学 · 2026-11-03
正弦定理と余弦定理は、直角でない三角形の辺と角を結び付けます。座標を置けば、鋭角・鈍角を別々の図で処理せずに余弦定理を導けます。さらに外接円の中心の座標から、正弦定理の共通値が直径になることを示します。
定理の主張
三角形 ABC で、角 A,B,C の対辺をそれぞれ a,b,c、外接円の半径を R とすると、a2=b2+c2−2bccosA,sinAa=sinBb=sinCc=2R. 他の角についての余弦定理も文字を入れ替えて得られます。
成立する条件
三角形は非退化で、a,b,c>0、0<A,B,C<π、A+B+C=π です。したがって各角の正弦は正で、分母にできます。
角度は式の中でラジアンを用います。度数法で計算しても、三角関数の入力単位を統一すれば幾何学的な内容は同じです。
証明
- A=(0,0)、B=(c,0)、C=(bcosA,bsinA) と置きます。点名の A と角の A は文脈で区別します。距離の公式から、a2=(bcosA−c)2+(bsinA)2=b2+c2−2bccosA. これが余弦定理です。
- 外接円の中心 O は A,B から等距離なので、O=(c/2,k) と書けます。さらに OC2=OA2 を使って展開すると、b2−bccosA−2bksinA=0 です。b>0,sinA>0 より k=(b−ccosA)/(2sinA)。
- 半径について R2=OA2=c2/4+k2 なので、4R2=sin2Ac2sin2A+(b−ccosA)2=sin2Ab2+c2−2bccosA=sin2Aa2.
- R,a,sinA は全て正なので平方根を取り、2R=a/sinA。頂点の役割を入れ替えると 2R=b/sinB=c/sinC も得られ、正弦定理が証明されます。この導出は鈍角三角形や直角三角形も含みます。
使ってみる
b=5,c=7,A=60∘ なら、余弦定理で a2=25+49−70⋅(1/2)=39、よって a=39。正弦定理から 2R=39/(3/2)=213 なので R=13 です。
A=90∘ を代入すると、余弦定理は a2=b2+c2、正弦定理は a=2R となります。直角三角形の斜辺が外接円の直径になることも確かめられます。
注意点
二辺とその一方の対角が与えられる場合、正弦の値だけでは角が一つに決まらないことがあります。sinθ=sin(π−θ) と三角形の成立条件を確認してください。
確認問題
b=3,c=5,A=120∘ の三角形の辺 a を求めてください。
解答と考え方を見る
cos120∘=−1/2 なので、a2=9+25−2⋅3⋅5(−1/2)=49。長さは正より a=7 です。
参考資料・次に読む資料
資料確認日:2026-11-03。