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相加平均・相乗平均の不等式と等号条件

Kanapedia 数学 · 2026-11-03

二つの非負の数では、算術平均は幾何平均以上になります。証明は平方が負にならないことに帰着し、等号条件も同時に分かります。最大・最小を求める問題では、その等号条件を実際に満たせるかまで確認します。

一辺aプラスbの正方形の周りに面積abの長方形4個を配置する。中央に一辺aマイナスbの正方形が残り、その面積が非負なので相加相乗の不等式が得られる。
相加相乗の不等式を面積で見る非負のaとbについて、(a+b)²−4ab=(a−b)²≥0です。a+bも非負なので平方根を取り、相加平均が相乗平均以上であると分かります。等号はa=bのときで、図では中央の余りがなくなる場合に対応します。図を拡大参考:MIT OCW:Mathematics for Computer Science

定理の主張

a,b≥0a,b\ge0 のとき、a+b2≥ab.\frac{a+b}{2}\ge\sqrt{ab}. 等号が成り立つための必要十分条件は a=ba=b です。

成立する条件

a,ba,b は非負の実数です。平方根は非負の平方根を意味します。この形を負の数へ無条件に拡張してはいけません。

このページは二数の場合を証明します。多数の数に対する相加相乗平均や重み付きの形は、別途証明が必要です。

証明

  1. 実数の平方は非負なので、(a−b)2≥0(\sqrt a-\sqrt b)^2\ge0 です。展開すると a+b−2ab≥0.a+b-2\sqrt{ab}\ge0. 両辺を正の数 22 で割れば、求める不等式が得られます。
  2. 変形の各段階は同値であり、等号が成り立つのは最初の平方が 00 になるときです。したがって a=b\sqrt a=\sqrt b、すなわち a=ba=b が等号条件になります。a=b=0a=b=0 の場合も含みます。
  3. 別の見方として、和が一定なら積が最大になる位置も分かります。(a−b)2≥0(a-b)^2\ge0 から (a+b)2≥4ab.(a+b)^2\ge4ab. a+b=Sa+b=S を固定すれば ab≤S2/4ab\le S^2/4 で、等号は a=b=S/2a=b=S/2 のときです。
  4. 逆に積を一定にすると和の下限が得られます。ただし制約が追加されていると、等号となる組が許されない場合があります。不等式で得た下限と、その下限を実際に取る最小値は区別します。

使ってみる

x>0x>0 のとき、a=x,b=9/xa=x,b=9/x と置くと x+9/x≥29=6x+9/x\ge2\sqrt9=6。等号条件 x=9/xx=9/x と x>0x>0 から x=3x=3 なので、最小値は 66 です。

同じ式でも x>3x>3 という制約なら、すべての許される xx で値は 66 より大きくなります。x→3+x\to3+ で 66 に近づきますが 66 は取れず、下限は 66、最小値は存在しません。

注意点

x+9/xx+9/x に適用する前に x>0x>0 を確認します。x<0x<0 なら二項は非負ではありません。二乗した不等式から平方根を取るときも、両辺の符号条件を省略しないでください。

確認問題

x>0x>0 における 2x+8/x2x+8/x の最小値と、それを与える xx を求めてください。

解答と考え方を見る

2x>0,8/x>02x>0,8/x>0 なので、2x+8/x≥216=82x+8/x\ge2\sqrt{16}=8。等号条件 2x=8/x2x=8/x より x2=4x^2=4、正の条件から x=2x=2。したがって最小値は 88 です。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-11-03。