相加平均・相乗平均の不等式と等号条件
二つの非負の数では、算術平均は幾何平均以上になります。証明は平方が負にならないことに帰着し、等号条件も同時に分かります。最大・最小を求める問題では、その等号条件を実際に満たせるかまで確認します。
定理の主張
のとき、 等号が成り立つための必要十分条件は です。
成立する条件
は非負の実数です。平方根は非負の平方根を意味します。この形を負の数へ無条件に拡張してはいけません。
このページは二数の場合を証明します。多数の数に対する相加相乗平均や重み付きの形は、別途証明が必要です。
証明
- 実数の平方は非負なので、 です。展開すると 両辺を正の数 で割れば、求める不等式が得られます。
- 変形の各段階は同値であり、等号が成り立つのは最初の平方が になるときです。したがって 、すなわち が等号条件になります。 の場合も含みます。
- 別の見方として、和が一定なら積が最大になる位置も分かります。 から を固定すれば で、等号は のときです。
- 逆に積を一定にすると和の下限が得られます。ただし制約が追加されていると、等号となる組が許されない場合があります。不等式で得た下限と、その下限を実際に取る最小値は区別します。
使ってみる
のとき、 と置くと 。等号条件 と から なので、最小値は です。
同じ式でも という制約なら、すべての許される で値は より大きくなります。 で に近づきますが は取れず、下限は 、最小値は存在しません。
注意点
に適用する前に を確認します。 なら二項は非負ではありません。二乗した不等式から平方根を取るときも、両辺の符号条件を省略しないでください。
確認問題
における の最小値と、それを与える を求めてください。
解答と考え方を見る
なので、。等号条件 より 、正の条件から 。したがって最小値は です。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax:Precalculus 2e式・関数・指数・対数・三角関数・数列を学ぶ教科書。
資料確認日:2026-11-03。