行列
行列(matrix)は、数や式を長方形状に並べた数学的対象であり、線形変換や連立方程式の記述に用いられる。
行列の形
m 行 n 列の行列は m×n 行列と呼ばれる。同じ大きさの行列同士では加法が定義され、条件を満たす場合には行列積も定義できる。
線形変換
行列はベクトルを別のベクトルへ写す線形変換を表現できる。回転、拡大縮小、座標変換などを行列として記述できる。
連立方程式
連立一次方程式は Ax=b の形にまとめられる。逆行列、階数、行基本変形などが解の存在や一意性の判定に使われる。
行列積は変換の合成
Aがm×n、Bがn×pならABはm×pで、成分は(AB)ᵢⱼ=ΣₖAᵢₖBₖⱼとなる。列ベクトルxに対しABx=A(Bx)だから、右側のBを先に作用させる。対応する成分同士を掛けるだけの積とは別であり、サイズが合うかを最初に確認する。
例:順序を変えると結果が変わる
R=[[0,−1],[1,0]]を90度回転、S=[[2,0],[0,1]]を横方向の2倍拡大とする。x=(1,0)ならRSx=(0,2)だが、SRx=(0,1)である。回してから拡大するか、拡大してから回すかで結果が違うので、一般にAB≠BAとなる。
行基本変形と階数
連立方程式の行を交換する、0でない数を掛ける、他の行の定数倍を加える操作は、解集合を保つ。これらで階段形にして独立な条件の数、すなわち階数を調べる。未知数より独立な条件が少なければ、整合する場合には自由度が残る。正方行列でも必ず逆行列があるとは限らず、det A≠0が必要十分条件である。
確認問題
A=[[1,2],[0,1]]をベクトル(3,4)に掛けると何になるか。
解答と考え方を見る
第1成分は1×3+2×4=11、第2成分は0×3+1×4=4なので(11,4)。行と列の内積を計算する。
参考資料・次に読む資料
- MIT OpenCourseWare: Linear Algebra連立方程式・ベクトル空間・行列式・固有値の講義資料。
資料確認日:2026-10-12。