量子力学
量子力学は、原子、電子、光子など微視的な対象の状態と変化を記述する物理学の基本理論である。
量子状態
量子系の状態は状態ベクトルや波動関数で表される。波動関数そのものではなく、その絶対値の二乗が測定結果の確率分布と関係する。
シュレーディンガー方程式
非相対論的量子力学では、状態の時間発展はシュレーディンガー方程式で記述される。
iℏ ∂ψ/∂t = Ĥψ
重ね合わせと測定
量子状態は複数の可能性の重ね合わせになり得る。測定結果は一般に確率的であり、観測量は演算子によって表される。
応用
半導体、レーザー、原子時計、MRIの基礎技術など、現代技術の多くは量子力学を利用している。
確率振幅と正規化
位置表示の波動関数ψ(x)は複素数の確率振幅で、|ψ(x)|²が位置の確率密度になる。全空間で積分して1となるよう正規化する。振幅を足してから絶対値を二乗することと、確率を直接足すことは違い、この違いが干渉を生む。
例:二つの経路の干渉
ある検出点に至る振幅がaとbなら確率は|a+b|²=|a|²+|b|²+2Re(a*b)となる。最後の項が干渉項で、相対位相によって正にも負にもなる。経路の情報が環境へ記録され、干渉性が失われると、このような重ね合わせの効果を観測しにくくなる。これをデコヒーレンスの観点から説明できる。
離散性と測定の限界
箱に閉じ込めた粒子などの束縛状態では、境界条件によりエネルギーが離散化する。一方、自由粒子の運動量のように連続な測定値を取る観測量もある。「量子なら何でも飛び飛び」という説明は不正確である。測定の解釈には複数の立場があるが、実験で検証する確率予測と哲学的解釈は分けて扱う。
確認問題
正規化された状態全体へeⁱθを掛けると、位置の確率密度は変わるか。
解答と考え方を見る
変わらない。|eⁱθψ|²=|ψ|²だからである。ただし二つの成分の相対位相を変えると、干渉結果が変わることがある。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 3光学・相対論・量子物理を体系的に学ぶ教科書。
資料確認日:2026-10-12。