ニュートンの運動法則
ニュートンの運動法則は、物体に働く力と運動の変化を結び付ける古典力学の基本法則である。
第一法則
外力の合計が0なら、物体は静止を続けるか、一定速度の直線運動を続ける。この性質は慣性と呼ばれる。
第二法則
物体の運動量 p の時間変化は合力 F に等しい。質量が一定なら F=ma となる。
F = dp/dt = ma
第三法則
二つの物体が相互作用するとき、一方が他方に及ぼす力と、他方が一方に及ぼす力は大きさが等しく向きが反対になる。
位置付け
ニュートン力学は非常に高精度だが、強い重力場や光速に近い運動、量子的尺度ではより一般的な理論が必要である。
慣性系という前提
第一法則は、力を受けない物体が等速直線運動する座標系、すなわち慣性系を特徴付ける。加速する電車や回転する座標系で同じ形の運動方程式を使うには、慣性力を導入する。遠心力が必要かどうかは、観測する座標系によって変わる。
例:エレベーターの体重計
質量60 kgの人が乗り、上向きの加速度が2.0 m/s²なら、垂直抗力NについてN−mg=maとなる。g=9.8 m/s²でN=60(9.8+2.0)=708 N。加速していないときは588 Nである。体重計の値が増えても質量が増えたのではなく、床が人を押す力が増えている。
第三法則と保存則
二物体間の内部力が等大反対向きなら、その和は0となり、外力がなければ全運動量は保存される。ただし電磁場が運動量を運ぶ場合など、粒子だけに単純な作用反作用の形を求めると不十分で、場を含む系全体の保存則が基本となる。ニュートンの三法則は、適用範囲と対象を定めて使うことで強力な予測を与える。
確認問題
自由落下する理想的なエレベーター内で、床から離れていない人への垂直抗力はどうなるか。
解答と考え方を見る
箱と人が同じ重力加速度で落ちるならN=0。重力が0になったのではなく、床が支える必要がないため無重量になる。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 1力学・振動・波を体系的に学ぶ大学向け教科書。
資料確認日:2026-10-12。