エネルギー
エネルギーは、物理系の状態を特徴付け、変化や仕事を記述するために用いられる保存量である。
運動エネルギー
質量 m、速さ v の物体の古典的な運動エネルギーは
位置エネルギー
重力やばねのような保存力に対しては位置エネルギーを定義できる。運動エネルギーと位置エネルギーの和は機械的エネルギーと呼ばれる。
エネルギー保存則
孤立した系では総エネルギーは保存される。エネルギーは運動、熱、電磁場、質量など異なる形を取りながら移り変わる。
質量との関係
特殊相対性理論では静止質量 m は静止エネルギー E₀ と
系の境界を決める
エネルギー収支を書くときは、どこまでを一つの系とするかを決める。物体だけを見ると摩擦で運動エネルギーが減るが、床や周囲まで含めると内部エネルギーなどへ移っている。保存則は、見える運動エネルギーが常に一定という意味ではない。エネルギーの単位はJ、単位時間あたりの移動量である仕事率はWである。
例:高さから速さを求める
質量mの物体を高さhから静かに落とし、空気抵抗を無視する。地面直前までの位置エネルギーの減少mghが運動エネルギーmv²/2となるため、v=√(2gh)となり質量が消える。h=5.0 m、g=9.8 m/s²ならv≈9.9 m/sである。抵抗があれば一部が周囲の内部エネルギーなどへ移り、速さは小さくなる。
仕事率と効率
100 Jの仕事を2秒で行えば平均仕事率は50 Wである。効率は有用な出力エネルギーを入力エネルギーで割った量で、装置や目的を指定して初めて意味が定まる。電気ヒーターの熱への変換と、熱機関の仕事への変換では制約が異なる。また一般相対論の宇宙全体では、ニュートン力学と同じ意味の総エネルギーを常に定義できるわけではない。
確認問題
200 Wの装置を30秒使ったとき、消費エネルギーはいくらか。
解答と考え方を見る
一定の入力仕事率なら200×30=6000 J。WはJ/sなので、時間を掛けて初めてエネルギーになる。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 1力学・振動・波を体系的に学ぶ大学向け教科書。
資料確認日:2026-10-12。