運動エネルギー
運動エネルギー(kinetic energy)は、物体が運動していることによって持つエネルギーである。
古典力学での式
質量 m、速さ v の物体の運動エネルギー K は、非相対論的領域で K=mv²/2 と表される。
K = ½mv²
仕事との関係
物体にされた正味の仕事は、その物体の運動エネルギーの変化に等しい。これを仕事とエネルギーの関係という。
相対論的補正
速さが光速に近づくと古典的な式は十分ではなく、特殊相対性理論に基づくエネルギー表式が必要になる。
仕事から公式を導く
一次元で質量一定ならF=ma、a=v dv/dxだから、仕事は∫F dx=∫mv dvとなる。積分するとm(v₂²−v₁²)/2が得られ、K=mv²/2を定義すればW=ΔKと書ける。一般の三次元でも速度と力の内積から同じ関係が得られる。
例:速さと制動距離
一定の大きさの制動力Fで停止する単純モデルでは、Fd=mv²/2より制動距離dは速さの二乗に比例する。速さを2倍にすると4倍の距離が必要になる。ただし実際の停止距離には反応時間中の走行や路面状態も関わり、このモデルだけで車の停止性能を断定することはできない。
基準系と相対論
運動エネルギーは観測する基準系に依存し、電車内で静止した荷物も地面からは運動エネルギーを持つ。高速ではK=(γ−1)mc²を使い、γ=1/√(1−v²/c²)である。v≪cのときγ≈1+v²/(2c²)と展開でき、古典的なmv²/2へ戻る。相対論の式が古典式を含んでいる。
確認問題
質量2 kg、速さ3 m/sの物体の運動エネルギーはいくらか。
解答と考え方を見る
K=(1/2)×2×3²=9 J。運動量の大きさ6 kg m/sとは異なる量で、単位も異なる。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 1力学・振動・波を体系的に学ぶ大学向け教科書。
資料確認日:2026-10-12。