原子核物理学
原子核物理学(nuclear physics)は、原子核の構造、核力、放射性崩壊、核反応などを研究する物理学の分野である。
原子核
原子核は陽子と中性子から構成される。陽子同士の電気的反発があるにもかかわらず、核力によって束縛状態が形成される。
放射性崩壊
不安定な原子核は、アルファ崩壊、ベータ崩壊、ガンマ崩壊などを通じてより安定な状態へ移ることがある。
核分裂と核融合
重い原子核が分裂する核分裂と、軽い原子核が結合する核融合では、質量差に対応する大きなエネルギーが放出されうる。
結合エネルギーと質量差
原子核の質量は、ばらばらの陽子と中性子の質量の和より小さい。その差Δmに対応するΔmc²が結合エネルギーで、核を分解するために必要になる。核融合や核分裂でエネルギーが出るかは、前後の質量や核子あたりの結合エネルギーを比較して判断する。どんな核を合体・分割しても発熱するわけではない。
例:半減期の計算
独立な原子核が単位時間あたり一定の確率で崩壊すると、残存数はN(t)=N₀e⁻λtとなる。半減期T₁/₂=ln2/λを使えば、3半減期後には初めの1/8が残る。個々の原子核がいつ崩壊するかは決まらず、多数の核の統計的な割合を述べている。
N(t)=N₀×2−t/T (Tは半減期)
放射能と被ばく量の区別
放射能の単位Bqは1秒あたりの崩壊数、Gyは物質1 kgあたりに吸収されたエネルギー、Svは放射線や組織の影響を考慮した量である。Bqだけから人体への影響を決めることはできず、核種、放射線、距離、時間、取り込み経路などが関係する。アルファ・ベータ・ガンマは透過性や核変化の仕方が異なる。
確認問題
半減期5年の核種が20年後に残る割合はいくらか。
解答と考え方を見る
4半減期なので(1/2)⁴=1/16=6.25%。初めの個数が十分多い場合の期待される割合である。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 3光学・相対論・量子物理を体系的に学ぶ教科書。
資料確認日:2026-10-12。