原子
原子は、元素の化学的性質を保つ基本的な単位であり、原子核とその周囲の電子から構成される。
構造
原子核は陽子と、通常は中性子からなり、その周囲に電子が量子力学的な状態を形成する。原子の大部分の質量は原子核に集中している。
原子番号
原子核に含まれる陽子の数を原子番号といい、元素の種類を決める。同じ元素でも中性子数が異なるものは同位体と呼ばれる。
電子状態
電子は古典的な惑星のように決まった軌道を回るわけではなく、量子状態として記述される。電子配置は化学結合や物質の性質を大きく左右する。
原子核と電子の尺度
原子の典型的な大きさは10⁻¹⁰ m程度、原子核は10⁻¹⁵〜10⁻¹⁴ m程度で、尺度が大きく異なる。電子の空間分布は軌道という量子状態で表され、古典的な公転軌道ではない。最も普通の水素の原子核は陽子一個だけで、中性子を含まない。
例:水素の線スペクトル
単純な水素原子のモデルではエネルギー準位はEₙ≈−13.6/n² eVとなる。n=3からn=2への遷移では、放出される光子のエネルギーは約1.89 eVで、波長は約656 nmになる。連続した任意の色ではなく特定の波長が現れるのは、束縛状態のエネルギーが離散的だからである。
hν = E高 − E低 / λ = hc/(E高−E低)
モデルの適用範囲
ボーア模型は水素様原子のエネルギーを理解する入口になるが、多電子原子の構造や結合を十分に扱えない。電子間相互作用、スピン、相対論的補正などを加えた量子力学が必要になる。原子が電子を失う電離と、原子核が変わる核反応は別であり、通常の化学反応では元素の種類は変わらない。
確認問題
水素原子が電子を一つ失ったとき、原子番号は変わるか。
解答と考え方を見る
変わらない。原子番号は陽子数で決まり1のまま。中性原子が正電荷の水素イオンへ変わる。
参考資料・次に読む資料
- OpenStax: University Physics Volume 3光学・相対論・量子物理を体系的に学ぶ教科書。
資料確認日:2026-10-12。