先物・オプションと価格変動リスク
デリバティブは他の価格や指標をもとに価値が決まる契約である。リスクを移す道具にも、大きく取る道具にもなる。
先物とオプションの違い
先物は将来の決済についてあらかじめ定めた条件で取引する契約である。オプションは、決められた条件で売買する権利を取引する。オプションの買い手は権利の対価としてプレミアムを支払う。
先物の買い・売りと、オプションの買い・売りでは損益の形が異なる。「デリバティブ」という呼び名だけで損失の上限を判断できない。
ヘッジは何を固定するのか
将来、小麦を買う製粉会社が価格上昇を心配する場合、対応する先物を買って値上がりの影響を相殺する考え方がある。現物が値下がりすれば、その利益の一部が先物の損失で相殺される。
現物と先物の品質、数量、時期、場所が一致しなければ完全には相殺されない。そのずれがベーシスリスクなどとして残る。
証拠金とレバレッジ
証拠金は取引対象の購入代金全額とは異なる。小さい資金で大きな契約額に対応する損益を持つため、証拠金に対する損失率が大きくなる。証拠金を超える損失や追加資金が生じることがある。
仮に契約額100万円の買い持ちで価格が5%下がれば、単純な線形の先物の損失は5万円。証拠金が10万円なら、その50%に相当する。実際の必要額や清算規則は商品ごとに違う。
期限と清算を確かめる
反対売買で終了する場合、現物を受け渡す場合、差額を現金で決済する場合を区別する。満期を越えて保有できるか、いつ資金が必要になるかも重要な契約条件である。
取引所の清算機能は相手方リスクを管理する仕組みだが、価格変動による損失をなくす制度ではない。
確認問題
契約額100万円、証拠金10万円の線形の先物買いで5%値下がりした仮想例の損失は。
解答と考え方を見る
5万円。証拠金に対して50%であり、値動きの割合と自己資金への影響は同じではない。
参考資料・次に読む資料
- 日本取引所グループ:デリバティブの起源農産物から金融商品への展開、価格変動リスクへの対応。
- 日本取引所グループ:堂島米市場1730年の公認、帳合米取引、清算と相場情報。
- 米EIA:Low liquidity and limited available storage pushed WTI crude oil futures prices below zero2020年4月20日のWTI期近先物、受渡しと貯蔵余力。全原油の現物価格を意味しない。
資料確認日:2026-11-06。