商品相場:原油・金・穀物
商品相場には、現物の需給だけでなく、品質、受渡し場所、在庫、季節、先物の期限が関わる。
同じ名称でも条件が違う
原油には性状や受渡し地点が異なる指標があり、小麦も品種・品質・地域が違う。金も現物と先物、通貨、重量単位が違えば表示価格は一致しない。
生産者、加工業者、商社、利用者、金融投資家などが、調達や価格変動への対応のために取引する。
生産・消費・在庫
その期間の生産と消費はフロー、積み上がった在庫はストックである。消費が生産を上回っても在庫を取り崩せば一時的に供給できる。逆に余剰が続くと貯蔵場所が制約になり得る。
農産物では天候や収穫期、エネルギーでは輸送設備や需要期などが影響する。供給量がすぐに増やせるかどうかも、ショックへの反応を変える。
現物価格と先物価格
先物には受渡しや決済の期限がある。先の月ほど高い形をコンタンゴ、先の月ほど安い形をバックワーデーションと呼ぶ。保管費、金利、現物を持つ便益、需給の切迫度などが関わる。
先物カーブは将来の現物価格の確定予報ではない。期限の異なる契約を入れ替える商品では、現物の値動きと運用成果がずれることがある。
ショックの読み方
原油の供給不安、収穫不良、輸送の停止は別の仕組みで価格へ影響する。新聞見出しだけでなく、対象商品、供給量、在庫、代替手段、影響する期間を確かめる。
2020年のWTI先物の負価格は、期限と受渡し場所・貯蔵余力が重要だった例であり、あらゆる原油が同じ価格になったわけではない。
確認問題
先物が期先ほど高いとき、それは将来の現物価格が必ず上昇する証拠か。
解答と考え方を見る
違う。保管費や金利、現物の便益なども先物価格に関わるため、確定した予報ではない。
参考資料・次に読む資料
- 日本取引所グループ:デリバティブの起源農産物から金融商品への展開、価格変動リスクへの対応。
- 米EIA:Low liquidity and limited available storage pushed WTI crude oil futures prices below zero2020年4月20日のWTI期近先物、受渡しと貯蔵余力。全原油の現物価格を意味しない。
資料確認日:2026-11-06。