債券相場:価格と利回り
固定された将来の受取りを現在の価格に換算すると、金利と債券価格が逆に動く理由が分かる。
利率と利回りの違い
債券の利率は額面に対する利払いの割合で、利回りは購入価格と将来の受取りを踏まえた収益の尺度である。固定利付債では、発行後に市場金利が変わっても約束された利払いは通常変わらない。
市場価格は変わるので、同じ債券でも購入価格や売却時点が違えば成果が変わる。満期まで保有する場合も、発行体が支払えないリスクが残る。
一年後の受取りで考える
仮に一年後に100円を確実に受け取り、途中の利払いがないとする。求める年利回りが2%なら価格は100÷1.02≒98.04円、5%なら100÷1.05≒95.24円である。
同じ受取りに対して高い利回りが求められるほど、現在の価格は低くなる。税・費用、途中の不履行、複利頻度などを除いた説明用の例である。
現在価格 = 将来の受取り ÷ (1+年利回り) 〔1年・途中利払いなし〕
期間・信用・流動性
受取りまでの期間が長い債券ほど、他の条件が同じなら金利変動の影響が大きくなりやすい。利払いの構造も影響するため、残存年数だけで厳密には比較できない。
信用が悪化すれば、基準となる国債などに上乗せされる利回りが広がり、価格が下がることがある。売買相手が少なく、希望する時に換金しにくいリスクもある。
安全という言葉の範囲
価格変動が小さいこと、発行体が返済できること、インフレで購買力が減らないこと、外貨を円へ戻す際に損しないことは別々の問いである。国債も途中売却の価格や通貨の影響を受け得る。
変動利付債や物価連動債などは固定利付債と条件が異なる。仕組みを確認せず、すべての債券に同じ説明を当てはめない。
確認問題
一年後に100円を受け取るゼロクーポンの仮想債券で、要求利回りが上がると現在価格はどうなるか。
解答と考え方を見る
下がる。同じ100円に対し、100÷(1+利回り)の分母が大きくなるため。
参考資料・次に読む資料
- 日本証券業協会:公社債の売買取引について価格と利回り、金利変動・信用・流動性リスク。
- 日本証券業協会:個人向け社債の特徴やリスク償還、途中売却、信用リスクの説明。
資料確認日:2026-11-06。