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診断・感度・特異度・尤度比

Kanapedia 医学カテゴリ · 2026-10-13

診断は、症状や診察から考えた病気の可能性を、検査などで更新する過程である。検査の「感度が高い」という性質と、陽性の人が実際に病気である確率は同じではない。

架空の1万人の検査結果。真陽性90人、偽陽性495人、偽陰性10人、真陰性9405人。陽性的中率は90割る585で約15.4%。
検査が陽性でも、病気とは限らない本文と同じ架空条件による計算例で、特定の病気や検査の実際の性能ではない。感度の分母は病気がある100人、陽性的中率の分母は陽性となった585人である。図を拡大参考:NCI:検診の性能と評価

まず何を確かめたいかを決める

同じ症状を起こす病気を候補として挙げ、頻度、重篤さ、治療の緊急性を考える。検査前確率は、その人の症状や背景から検査前に見積もる病気の可能性である。検査を増やす前に、結果がその後の判断をどう変えるかを明確にすると、不要な負担を減らせる。

感度と特異度は分母が違う

感度は病気がある人のうち陽性になる割合、特異度は病気がない人のうち陰性になる割合である。陽性の人のうち病気がある割合は陽性的中率という。検査の閾値を変えると感度と特異度が変わることがあり、病期や対象集団、採取方法によっても性能は異なり得る。

架空の1万人で計算する

病気の割合1%、感度90%、特異度95%という架空の条件を考える。病気の100人から真陽性90人、病気でない9,900人から偽陽性495人が生じる。陽性585人中、実際に病気があるのは90人なので、陽性的中率は約15.4%となる。感度90%をそのまま陽性後の確率にはできない。

陽性的中率=90÷(90+495)≈15.4%
結果病気あり病気なし
陽性90人495人
陰性10人9,405人

尤度比で確率を更新する

陽性尤度比は感度÷(1−特異度)で、この例では18である。確率をオッズに直し、検査前オッズに尤度比を掛けて検査後オッズを求める。オッズは確率÷(1−確率)であり、最後はオッズ÷(1+オッズ)で確率に戻す。確率そのものを18倍する計算ではない。

この架空例の検査前オッズは1/99、陽性後のオッズは18/99である。確率へ戻すと18/117となり、人数から計算した約15.4%と一致する。人数の表と式は同じ関係を別の形で表している。

検査後オッズ=検査前オッズ×尤度比

陰性や複数検査にも限界がある

感度が完全でなければ陰性でも病気が残る場合がある。緊急性が高く検査前確率も高い場合は、陰性だけで評価を終えない。複数の検査が似た情報を測っていると結果は独立ではなく、尤度比を機械的に掛け続けると確信を過大評価することがある。

確認問題

同じ感度・特異度を仮定した場合、病気の割合が高い集団では陽性的中率はどうなるか。

解答と考え方を見る

通常は高くなる。陽性者に占める真陽性が相対的に増えるためである。実際には対象集団の違いで感度・特異度自体が変わる場合もあり、研究の値をそのまま移せるとは限らない。

医学記事は一般的な学習のための情報です。個別の診断・治療の代わりにはなりません。症状や検査値は背景と経過を含めて評価し、処方薬の開始・中断・変更は担当の医療者へ相談してください。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-10-13。