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宇宙膨張と赤方偏移

Kanapedia 宇宙カテゴリ · 2026-10-13

遠方銀河の光が長い波長側へずれることと、銀河までの距離を組み合わせると、宇宙の膨張を調べられます。赤方偏移は単なる色の変化ではなく、宇宙の過去を読むための量です。

同じ9点の並びで、尺度因子が2倍になると任意の点の間隔も2倍になる例を示す。点自体の大きさは変えない。
宇宙膨張:同じ割合で距離が増す点は平均的な膨張とともに動く位置を表します。枠は宇宙の端ではありません。どの点を基準にしても距離が同じ比率で増し、特別な膨張の中心を必要としません。図を拡大参考:NASA:Dark Energy

赤方偏移を測定する

水素などがつくるスペクトル線には、実験室で測った基準の波長があります。観測波長との差を基準波長で割った量が赤方偏移zです。例えば基準波長500 nmの線が550 nmに見えればz=0.1です。実際には多くの線を照合し、測定装置のずれも補正します。宇宙膨張のほか、天体自身の運動や重力によっても波長は変わるため、原因を区別します。

z = (λ観測 − λ基準) / λ基準

近い宇宙で成り立つ距離との関係

十分近く、銀河固有の運動が支配的でない範囲では、後退速度vは距離dにほぼ比例します。比例係数H₀が現在のハッブル定数です。これは膨張率を表し、単に「全宇宙が秒速何キロで広がる」という一つの速度ではありません。離れた二点ほど同じ膨張率による距離の増加量が大きくなります。非常に近い銀河では局所的な重力運動が大きく、近づく銀河もあります。

v ≈ H₀d(近傍宇宙での近似)

尺度因子と光の波長

宇宙の膨張を尺度因子aで表すと、宇宙論的赤方偏移は1+z=a₀/a放射で与えられます。a₀は現在、a放射は光が出た時点の尺度因子です。z=1なら、その間に尺度が二倍になったことを意味します。ただし高い赤方偏移をv=czで速度に換算する近似は使えません。遠方の距離や後退速度の定義には、相対論的な宇宙モデルを使います。

地球や原子も膨らむのか

通常の宇宙膨張は、重力や電磁気力によって結びついた小さな系を同じ比率で引き伸ばすわけではありません。原子、人体、太陽系は局所的な力が支配する系です。銀河間でも、重力的に束縛された銀河群では単純なハッブルの流れから外れます。膨張は、十分大きな尺度で平均した物質分布の振る舞いとして理解すると、日常物体との混同を避けられます。

膨張率をどう確かめるか

近傍の年周視差から変光星、超新星へと距離測定をつなぐ方法や、背景放射と宇宙モデルを組み合わせる方法があります。異なる方法の値が合うかは重要な検証です。食い違いには測定系統誤差、距離の較正、モデルの仮定が関係し得ます。一つの不一致だけで新しい物理を断定せず、どの仮定を変えると他の観測まで同時に説明できるかを調べます。

確認問題

銀河のスペクトル線が基準の二倍の波長に観測されたとき、赤方偏移zはいくつですか。

解答と考え方を見る

z=(2λ−λ)/λ=1です。宇宙論的赤方偏移だけによるなら、光の放射から観測までに尺度因子が二倍になったことを表します。

参考資料・次に読む資料

資料確認日:2026-10-13。