教師あり・教師なし・自己教師あり学習
何を手掛かりにモデルを学ばせるかによって、必要なデータと評価の方法が変わります。正解ラベル、データ自身から作る課題、行動への報酬を区別し、同じデータにも複数の学習方法が使えることを考えます。
教師あり学習では入力と目標を対応させる
教師あり学習の一例は、果実の重さと色から品種を分類する課題です。重さや色が特徴量、実際の品種がラベルです。数値を当てる回帰でも考え方は同じで、入力と目標の組を集め、予測と目標の差が小さくなるようモデルを調整します。教師という名前でも、すべてのラベルを人が手作業で付けるとは限りません。計測装置や既存の記録から得られる場合もあります。目標の付け間違い、定義の揺れ、欠測の偏りは学習にも引き継がれるため、モデル選択より先にラベルが何を意味するかを確かめます。
教師なし学習は正解の種類を先に渡さない
教師なし学習には、似たデータをまとめるクラスタリングや、情報をなるべく保ちながら次元を減らす方法があります。例えば商品の売れ方を複数の数値で表し、似た動きをする群を探せます。ただし、得られた群が自然界の唯一の分類とは限りません。どの特徴を入れたか、尺度をどうそろえたか、群の数をいくつにしたかで結果が変わります。ラベルがないから評価が不要ということでもありません。分類結果の安定性、元の目的に役立つか、偶然や外れ値で分かれていないかを別途調べます。
自己教師あり学習はデータから問題を作る
自己教師あり学習では、データの一部から別の部分を予測するなど、データ自身から学習目標を作ります。文章の次のトークンを予測したり、隠した部分を復元したりするのが例です。人が全ての答えを付ける負担を減らせますが、損失を計算するための目標は存在します。その目標が文章の続きを当てることなら、必ず真実を述べることや利用者の指示に従うことまで直接保証しません。自己教師あり学習を、何の目標もなく機械が自発的に知識を得る仕組みと捉えるのは不正確です。
報酬から学ぶ場合と組み合わせる場合
強化学習では、行動が次の状態や将来の報酬に影響します。迷路で一歩ごとに移動を選び、遠い出口に到達したときの報酬を増やす例では、直前の行動だけでなく途中の選択も評価対象です。すべての状態に正解の行動を先に渡す教師あり学習とは異なります。実際の開発では一つの方法に固定する必要はなく、自己教師ありで表現を学び、ラベル付きの少量データで調整することもできます。半教師あり学習はラベル付きとラベルなしを併用する設定で、少数の正解から何を仮定して広げるかが重要です。
同じデータでも学習目的は変わる
一万枚の道路写真があるとします。写真全体を天候で分類するなら天候ラベルが必要ですが、画像を一部隠して復元させる課題は写真だけから作れます。その後、道路上の特定物体を検出するには、位置や種類のラベルを使って調整する方法が考えられます。ここで、最初の一万枚と評価写真が重複していれば、見たことのない道路での能力を過大評価しかねません。学習の種類を選んでもデータ分割の問題は残ります。何を入力し、何を目標にし、どの未知の例で確かめるかを一緒に設計します。
確認問題
文章の前半から次のトークンを当てる自己教師あり学習には、損失を計算するための目標がありませんか。
解答と考え方を見る
目標はあります。元の文章に実際に現れた次のトークンを目標にできます。人が一例ずつ別のラベルを付ける必要が少ないことと、学習目標や損失が存在しないことは別です。
参考資料・次に読む資料
- Google:Supervised Learning特徴量・ラベル・学習・評価・推論の区別。
- Goodfellow・Bengio・Courville:Machine Learning Basics汎化、過学習、損失、モデル容量、正則化などの基本原理。
- Raffelほか:Exploring the Limits of Transfer Learning with a Unified Text-to-Text Transformer事前学習の目的、データ、構造と転移学習を比較した研究。
資料確認日:2026-11-03。